ゴールデンターキンの基本情報
ゴールデンターキン英名:Golden takin 学名:Budorcas taxicolor bedfordi 分類:鯨偶蹄目、ウシ科、ターキン属 生息地:中国、ブータン王国 保全状況:VU<絶滅危惧II類>
ゴールデンな体毛
ゴールデンターキンはその名の通り金色の体毛をしていることから名付けられました。
動物園でも見ることができるのですが、中には金色?茶色じゃね?と思うような個体がいることがあります。
ただ、ゴールデンターキンの体は紛れもなく金色です。
決して目がおかしくなったわけじゃありません。
ゴールデンターキンのメスの体じゅうには臭腺(しゅうせん)と呼ばれる強いにおいの液を分泌する腺があり、そこから分泌する油分のために、金色の毛がところどころ茶色くなっています。
ちなみにこの油分のためいつもべとついていますww
このべとつきは、生息地が、霧の発生が多く、湿度が高いため、体が濡れるのを防止する目的があるといわれています。
要は防水スプレーがわりですね。
ちなみに雨の日は毛についた茶色が流されて、元の金色に戻ります。
反対に雨の降らない日が続くと、毛はだんだん濃い茶色になり、においは日増しにきつくなっていきます。
これはメスだけの特徴で、オスの体からは油分は分泌されないので茶色い個体ならメスだと思って大丈夫です。
金髪女子は綺麗な美女ということですww
ゴールデンターキンの生態
分布
中国陝西省南部、標高2,400~4,200メートルの秦嶺(ちんりん)山脈に生息。草に覆われた岩の多い高地や谷の森林地帯などで生活している。
食性
主に草や竹、落葉樹の木の葉や草、ハーブなどを食べるが、冬季には小枝なども食べる。
3m近い高さにある木の葉なども後足で立って食べることがある。
動物園では、青草、草食獣用ペレット、さつまいも、にんじんなどのほか、木の葉をあたえています。
形態
ジャイアントパンダ、キンシコウと並んで中国三大珍獣と呼ばれるゴールデンターキンを少し紹介しましょう。
ゴールデンターキンは4種類いるターキン属の仲間の一種で、体長は1.5〜2.4m。体は雄の方が大きく、大きい雄では体重350kg程に成長する。メスは250kgほど。
角は雌雄ともにあり、根元は太くて最初は外側に向かい、それから後方に向かって伸びる特異な形をしています。
長さは60cm程もあるが、大きな雄では、90cm近くになります。
メスには長い毛の内側にふわふわの毛が生えていますが、オスには生えていません。幼獣にはふわふわの毛が生えていますが、成長すると毛質が変わりふわふわの毛が生えなくなります。
また、毛色は前述の通り、全身がオレンジ色を帯びたような黄色や金白色をしている。
生息域が高地で寒いため、鼻には吸入した空気を暖めることができる大きな副鼻腔という器官があり、呼吸中の体熱の損失を防いでいます。
ゴールデンターキンは大きな体をしているため、それほど動きが早いようには見えません。しかし、危険を察知すると岩の上を飛んで逃げたり、移動することができます。
これは、ゴールデンターキンの蹄が割れているため、岩山でも移動がしやすいためにできることになります。
ターキンのひづめは険しい岩山を上ることができるように発達しており、副蹄と呼ばれる普段は地面に付かない滑り止めの役割をはたすひづめがあり、踏ん張りが効くようになっています。
行動
ゴールデンターキンは基本群れで生活しておりますが、群れの大きさは季節によって変わり、春と初夏の間は最大300頭の群れになることがあり、食べ物に乏しい際は10〜35頭のの小さなグループに分かれることもある。
オスは直立姿勢で顎を持ち上げ、他のオスに優位を示すことがある。身体を横向きにした場合はサイズを強調しており、頭を下げた姿勢は攻撃性を伝えている。
尿中のフェロモンを強調するために、オスは自分の前脚、胸、および顔面に尿を散布し、メスは排尿時に尾を浸すようにしています。このような状態でオスはメスの外陰周辺部を舐めることで、発情の兆候を察知していると考えられています。
繁殖
ターキンの妊娠期間は6〜7ヶ月かかり、通常は1回の出産で1頭の子供を産みます。
角は、ターキンの子供が生後約6ヶ月で成長し始めます。
生まれたばかりの赤ちゃんの毛色は濃い茶色、背中には濃い茶色の毛が生えています。成長に伴いこの毛は徐々に薄い茶色や金色へと毛色が変わります。
ゴールデンターキンの仲間
その他の種は現在順次更新中です。もうしばらくお待ちください。
人間とゴールデンターキンの関係
保全状況
ゴールデンターキンは中国でジャイアントパンダと並んで国家一級重点保護野生動物に指定されている。
また、元来の生息数が少なく、分布域も限られていることから国際保護動物にも指定されている。
現在彼らはレッドリストにおいて、絶滅の危険が増大している絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
飼育する動物園
絶滅危惧種のゴールデンターキンですが、日本では現在3ヶ所の動物園で見ることができます。
現在展示されている動物園を紹介します。
多摩動物公園ではゴールデンターキンが岩山をスイスイと登れることに懸念してターキン返しと呼ばれる上方に登れないような返しが金属で作られています。
この返しがなければどこまででも登ってしまって危険ということでしょう。
また、当園ではターキンの展示場前に大きな木があり、実(銀杏のよう?)が大量に落ちていることがあります。
もしかするとその実の匂いでターキンの匂いを誤魔化す目的があるのかなと考えたりしています。
次回行った際には調査してみたいですね。
下記にゴールデンターキンを飼育している動物園をまとめましたのであなたの素敵な動物園ライフにご活用ください。
動物園 | 所在地 |
---|---|
多摩動物公園 | 東京都日野市 |
よこはま動物園ズーラシア | 神奈川県横浜市 |
アドベンチャーワールド | 和歌山県白浜町 |
余談
ギリシャ神話の金羊毛
イアーソーンは奪われた王位の返還のため翼を持つ金色の羊の毛皮である「金羊毛」を求め竜と戦う冒険に出た。
この物語はアルゴナウタイの冒険と呼ばれるギリシャ神話として伝わっている。
これに登場する金羊毛がゴールデンターキンの毛が元になったのではないかと言われている。
竜に守られ、翼を持つ秘宝なんて中国の国宝と言われるゴールデンターキンにはもってこいの物語ではないだろうか。
まとめ
牛や山羊の仲間って群れで生活しているからどうしても個体数多いように感じるけど、他の動物種と同じように少ない種も多くいます。
日本で3園でしか見れないなんて意外ですね。
コメント