オグロプレーリードッグ

オグロプレーリードッグの基本情報

オグロプレーリードッグ
英名：Black tailed priairie dog
学名：Cynomys ludovicianus
分類：齧歯目、リス科、プレーリードッグ属
生息地：北アメリカ
保全状況：LC<軽度懸念>

齧歯目なのにドッグ!?

「プレーリードッグ(prairie dog)」は英語で「草原の犬」を意味していますが、名前に反してイヌ科ではなくリスやネズミの仲間！


これは生物上の分類ではなく、警戒時に発する「キャンキャン」という犬のような鳴き声に由来しています。

この鳴き声は情報量が多く、1秒程度の鳴き声に「接近する生物の種類（人間、タカなど）」「色」「大きさ」「だいたいの形」「脅威の程度」などの情報が入っていることが確認されています。

オグロプレーリードッグの生態

分布

カナダのサスカチュワン州からアメリカ合衆国のノースダコタ、モンタナ、ワイオミングからニューメキシコ、テキサス州に至る地域と、メキシコ北部のチワワ州などに分布し、開けた草原地帯やサバンナに生息しています。

食性

野生では主にイネ科の植物の葉や茎などを前足をうまく使って食べます。


木の根や球根、木の実、樹皮、花など、季節に合わせて様々な種類の植物を食べるが、プレーリードッグが食べる植物には水分も多く含まれていて、生活に必要な水分は植物と一緒に摂っています。


また、バッタや甲虫などの昆虫類も少しは食べますが、全摂取量の98％は植物質と言われている。

形態

最も広範囲に分布している種のため日本でプレーリードッグといえばこのオグロプレーリードッグ！
そんな彼らの生態をご紹介します。


齧歯目リス科に属し、体長は30〜40cm、体重は700〜1400gになるリスの仲間です。


身体的には背面が茶色や褐色、灰色を帯びた茶色などになっていて、腹は白っぽくなっているのが特徴。

ほかのリス科の仲間のように四肢は短いが、プレーリードッグは尾も短いのも特徴。

常生歯と呼ばれる生涯にわたり伸び続ける前歯を持っていて、表面は体内のミネラルの沈着で黄褐色をしている。


興奮すると肛門周囲の3本の肛門腺を突出させ、分泌物を放散します。
ただし、人がこの臭いを悪臭だと感じることはあまりないので安心してください。


齧歯目の臼歯が3本であるのと比べて、各歯列あたり4～5本あるのも特徴。


オグロプレーリードッグに関しては他の種と比較して尻尾が黒くなっているのも判別しやすいですね。

行動

オグロプレーリードッグは広大な巣穴を作ることで知られ、巣穴は地中深く複雑な構造になっており、寝室やトイレ、子供部屋など用途によって部屋が分けられているほか、出入り口も複数存在しています。


また、掘り出した土は巣穴の周りに見張り台として積み上げられているので、直立して周りを見る見張り役がいます。これまで見つかった最大の巣穴は、テキサス州の65000k㎡という広大な面積をカバーするもので、およそ4億ものオグロプレーリードッグが生息していたと言われています。


昼行性であるため、昼は暑さを避けて、朝と夕方に活発に活動をしている姿が見られます。

プレーリードッグは社交性が高く、挨拶の意味でキスをする姿やハグをする姿が見られ、とても可愛いww

欧米人みたいですね！

そんな可愛らしい外見とは裏腹に、強い縄張り意識を持っているプレーリードッグ。

オス同士は肛門の臭腺から臭いを発し、威嚇するここが知られていて、それでも相手がひるまない場合は、争いのすえ殺しあったり、生き埋めにしたりすることもあるそうです。そのほか生存競争に勝ち抜くために、違う家族の子どもを埋めることもあるのだとか。

繁殖

オス1匹に対してメス多数の一夫多妻制で、コテリーと呼ばれる家族を形成する。

そのコロニーが集まったコミュニティは「タウン」と呼ばれ、その名の通り町のような大きな集団になっています。


繁殖期は1～4月頃。1産1～6子で、妊娠期間33～38日前後で、ふつうは3～4子を出産する。

生まれたばかりの子どもは体長7cm、体重は15～16g程度で、目は閉じていて、体毛も生えていません。
目は4週間程で見えるようになり、体毛は3週間ほどでしっかりとしてくる。

授乳期間は30～50日程で、1～2年程で成熟する。
野生での寿命は3～4年、飼育下で7～8年程度と言われている。

オグロプレーリードッグの仲間

その他の種は現在順次更新中です。もうしばらくお待ちください。

人間とオグロプレーリードッグの関係

保全状況

オグロプレーリードッグは国内の多くの動物園で飼育されていて人気者でもあるが、大きな地下トンネルを掘って、牧草や農作物に被害を与える事から、害獣として駆除され、近年では生息数が大幅に減っています。

飼育する動物園

オグロプレーリードッグですが、日本では現在46ヶ所の動物園でのみ見ることができます。

現在展示されている動物園を紹介します。

下記にオグロプレーリードッグを飼育している動物園をまとめましたのであなたの素敵な動物園ライフにご活用ください。