セイロンゾウ(スリランカゾウ)

アジアゾウ属

セイロンゾウの基本情報

セイロンゾウ(スリランカゾウ)

英名:Ceylon elephant /Sri Lankan elephant 学名:Elephas maximus maximus 分類:長鼻目ゾウ科アジアゾウ属 生息地:スリランカ 保全状況:EN<絶滅危惧IB類>

ジャンプができない唯一の哺乳類

皆さんは地球にすむ4000種類以上の哺乳類の中で唯一ジャンプができないと言われている動物を知っていますか?


実はそれがゾウなんです。


足が全部地面から離れることを「ジャンプ」だとすると、ゾウは4本の足全てが地面から離れることがありません。


走る時も常に地面に片足をついています。


人間でいう競歩のような走り方をしているわけです。



そんな彼ら走る速さは時速40kmですよww


競歩で時速40kmの速さが出るってやばいですよね。


ちなみにゾウはジャンプどころか重い体を4本の足で支えるのがやっとで足を上げ続けることすら苦手。



過去に多摩動物公園で小石が爪の間に深く挟まってしまったゾウが足を上げるのを嫌がったため、短時間に何度も足を上げさせて時間をかけてようやく小石を取ることに成功したということもあったそうです。


ゾウは足のケガで起き上がれなくなり、命を落とすことがあるため、動物園ではゾウに足を上げる練習をさせています。


動物園でゾウが飼育係の合図で足を上げ下げしているのは、芸のためではなく、ゾウが健康を害さないためにやっていたりするんですね。



ちなみにゾウの足の骨を見ると、足の平で体重を支えているのではなく、つま先立ちの状態になっていることがわかっており、爪の下側の脂肪がクッションの役割をしていることで支えられていることも知られています。


ハイヒールみたいですね。

セイロンゾウの生態

分布

別名スリランカゾウと言われるように、スリランカにのみ生息するアジアゾウの亜種。

主に低地の乾燥地帯を好んでいます。

食性

草食性で、草類や木の枝木の葉樹皮や根などのほか、果実類などを食べて生活しています。

主にマメ科やイネ科の植物を食べるが、一日に150~200kg程の量を摂取するため食事時間は一日16時間以上ww

形態

長鼻目、ゾウ科はアジアゾウ属とアフリカゾウ属に分類でき、その中でアジアゾウ科に属するセイロンゾウについてご紹介します。


まずアジアゾウとアフリカゾウの違いですが、生息地が大きく異なることから見た目でも違いが多くあります。

アジアゾウはアフリカゾウに比べ小柄で、耳が顔に対して小さいのが特徴です。


人間は汗をかいて体温調節をしますが、ゾウの汗腺は足の爪の周りに集中していて、人間ほど多くありません。


ゾウは耳をパタパタ動かして耳の裏に空気を送り体温を下げており、アジアゾウは涼しい森林地帯に生息しているためそこまで大きなものが必要なかったことから邪魔にならないよう小さく進化したと言われています。


上記の比較画像からわかる違いがもう一つ。



それが頭の形。


アジアゾウは頭の上部が凹んでおり、アフリカゾウは丸みを帯びています


また、横から見るとアジアゾウの方が凹凸が多くあります。



続いて、ゾウといえばやっぱり鼻。


この鼻、実は鼻+上唇なんですが今回は鼻と言いますww


ゾウは視力が弱い分、わずかな臭いを嗅ぎ分けられる優れた嗅覚を持ち、遠い場所の食べ物や水場を探ったり、危険を察知したりしているといわれています。



この鼻も両者で違う特徴があり、「指状突起」と呼ばれるセンサーの役割をする突起の数が異なり、アジアゾウは上部に突起が一つ、アフリカゾウは上下に突起が一つずつあり菱形のような形をしています。



例えば棒を持つときの鼻の使い方も異なっており、アフリカゾウは上の突起と下の突起で挟むようにして持ち、アジアゾウは巻いて持っています。



ゾウの鼻には骨がなく、12万個以上の筋肉でできているため、さまざまな動きができものを持つ以外にも役割が多くあります。


例えば、ゾウの鼻の大事な役割の一つに「水を飲むこと」があります。


ゾウは首が短いため、水を飲むときは鼻で水を吸って、鼻の先を口の中に入れ、水を流し込んでいます。


エサもきちんと鼻で持って、口に運びます。


このように鼻は多くの役割を担っているためゾウは鼻を痛めてしまうと生きられません



次は象牙に関して。


象牙はアジアゾウとアフリカゾウのどちらも持ってはいますが、アジアゾウのメスは小さく、オスメスとも全く持たない個体もいます。


また下唇はアジアゾウの方が長く先が細くなっています。


顔だけでこんなにも違いがあるってほぼ別の生き物ですよねww


それでは次は胴体の違いについて。


先ほど紹介した顔の特徴とは逆に、アジアゾウの背中は出っ張って丸みを帯び、アフリカゾウは凹んでいます


さらに「ゾウの耳」と言われるほど敏感な足は、低周波を感じ取って耳に伝え、40m先の仲間とコミニュケーション取ることもできると言われる。


アジアゾウは前肢5本、後肢に4本の爪を持っていて、アフリカゾウの前肢4本、後肢3本と異なっています。


表にするとこんなに違いがあります。


それではアジアゾウの中でもセイロンゾウだけの特徴をご紹介しましょう。


セイロンゾウは体長2〜3.5m、体重2t〜5t。


体色はアジアゾウの亜種の中では暗い色だが年齢とともに色素が薄くなり、大人のゾウの顔や鼻はピンクやベージュが目立ちます。


アジアゾウの亜種では最も大きく、牙(象牙)は比較的短い。肋骨は19対


オスでも約90%で牙が口外に出ません

行動

社会的な生活を営んでいて、多くは15~20頭程の群れで生活しています


平均すると1日に150kg程の植物を採食するが、水も1日に80~200リットル、平均すると140リットル程も飲むと言われていて、水源から遠く離れず生活しています。

繁殖

一夫多妻で、決まった繁殖期はなく、年中繁殖でき、1回につき1頭産みます。



寿命は長く、野生では60年程度飼育下では60~80年程度生きることができます。


セイロンゾウの仲間

その他の種は現在順次更新中です。もうしばらくお待ちください。

人間とセイロンゾウの関係

保全状況

セイロンゾウは、生息地である森の開拓で住処を追われ、その過程で人間との間にトラブルを起こし、やむなく殺されるなどのケースが続いたことで、スリランカは人間によってゾウが殺される数で世界1位となってしまいました。

そんな中、スリランカ政府は親を失った子ゾウを保護し、野生に戻すことを目指す世界でたった1つのゾウの孤児院を建設するなど共生を目指しています。


現在彼らはレッドリストにおいて、近い将来における野生での絶滅が極めて高い絶滅危惧IB類に指定されています。

飼育する動物園

絶滅危惧種のセイロンゾウですが、日本では現在6ヶ所の動物園で見ることができます。


中でも特徴のある動物園を紹介します。

多摩動物公園のスリランカゾウは日本とスリランカの国交樹立60周年を記念し2012年に寄贈されました。


長い月日をかけ、2021年10月にOPENした「アジアゾウのすむ谷」が綺麗でおすすめ。

さらに旧アジアゾウ舎から移動するために使用した輸送箱も見られ圧巻です。


下記にセイロンゾウを飼育している動物園をまとめましたのであなたの素敵な動物園ライフにご活用ください。

動物園所在地
多摩動物公園東京都日野市
千葉市動物公園千葉県千葉市
東山動植物園愛知県名古屋市
岡崎市東公園動物園愛知県岡崎市
徳山動物園山口県周南市
到津の森公園福岡県北九州市
追加情報がありましたらコメントにてお知らせいただけますとありがたいです。

余談

ぞうさんペーパー

ゾウの糞をリサイクルし、100%手作りで作った再生紙をご存知でしょうか?


最近、国連が定めたSDGsが日本でもよく聞かれるようになってきていますが、10年以上前からそのSDGsの先駆けともいえる「ぞうさんペーパー」と呼ばれる再生紙が作られました。


しかも始めたのが日本人!先見の明がすごいですよね。



スリランカのケーゴールという田舎町にある工場で開発、生産している「ぞうさんペーパー」は糞の中に大量に含まれる植物繊維を利用して独自の方法で加工された再生紙。


定期的に「ぞうさんペーパー工場の見学ツアー」も主催されているそうなのでいつか行ってみたいですね。

まとめ

昔からアジアゾウは人と関わりが深い動物です。


あの大きさから世界中で神格化されていたり、こどもにも大人気!


セイロンゾウ以外にもインドゾウ、スマトラゾウ、ボルネオゾウといった亜種がいてそれぞれ違った人との関わりの歴史があります。


それはこれからも一緒です。


どれだけ歴史を紡げるか….楽しみです。

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