ボルネオオランウータン

オランウータン属

ボルネオオランウータンの基本情報

ボルネオオランウータン

英名:Bornean Orang-utan 学名:Pongo pygmaeus 分類:霊長目ヒト科オランウータン属 生息地:ボルネオ島 保全状況CR<絶滅危惧IA類>

筋肉かと思いきや実はメタボ体型!?

東南アジアの熱帯雨林では、数百種の樹木が一斉に結実する一斉結実という現象が数年に一度、不定期に起こります。


この期間は多くの生物にとってパラダイスなのですが、その後数年の間、森林の果実の生産は低調になってしまいます。


そんな東南アジアに位置しており、オランウータンの生息地であるスマトラ島とボルネオ島の内、ボルネオ島はより厳しい環境にあります。


そのため、オランウータンはいかに食べられるときに食べておけるかということが生存上非常に重要になってきます。


食べられる時に食べ、脂肪を蓄積させられるように進化したオランウータンは他の類人猿と比べても非常に太りやすい体質を持っています。


ゴリラなどと同じように筋肉かと思いきや意外な事実ですよね。

ボルネオオランウータンの生態

分布

主に低地の湿地林や丘陵地の熱帯雨林に生息し、果実の多いところを好む。
マングローブの一部などにも見られるが、標高1,000mを超えるようなところでは滅多に生息していない。

食性

涼しい午前中のうちに採食し、ドリアンやイチジクなどの果実を中心に、木の葉や木の芽、樹液、樹皮などを食べるが、採食する植物の種類は500にのぼることが報告されていて、菌類や花なども食べる。

このほか、昆虫や鳥の卵、ごく希に小型の動物なども食べるとされているが、中でも果実類は総摂取量の60%以上を占めていると言われている。

形態

ニシゴリラに次いで3番目に大きい類人猿であり雄の方が体が大きく、体長は1.2~1.7m、体重は60~110kg、雌では体長は1~1.2m、体重40~50kg程度だが、飼育下のものではより重くなり、雄で200kg、雌でも100kgを超えるものもいる。


体毛は長く、毛色は全身が栗色や赤褐色で、肩と背中の毛は特に長い。
耳は小さく、顔は黒っぽくて毛がなく、鼻は口と一緒に突き出たようになっている。


完全に成熟した雄には「フランジ」と呼ばれる平たい出っ張りが頬の両側に張り出してきて、雌とはまったく違う顔になる。
しかし、このフランジは強くて優位な雄だけに見られ、弱い雄は何歳になってもフランジが大きくならない。

縄張り内のフランジを持つオスが何かの拍子に姿を消したり、死亡する等、フランジを持つ個体がその地域からいなくなると、フランジを持たないオスの頬が1年以内に急激に発達してくるということが分かっています。



雄にはのどから胸にぶら下がるのど袋があり、これを膨らませて「ロングコール」と呼ばれる叫び声をだし、縄張りを主張したり、発情した雌を呼んだりします。


雌雄共に親指は短いが、他の4本に向かい合っていて、物をつかむのに都合がよくなっている。
また、他の指は樹上生活に適したように長く、足の親指には爪のないものも見られる。


前腕は肘から先が長く、両手を広げると2mを超え、腕を下げて立ち上がると踝(くるぶし)までも届く。

大股関節の靭帯がないことで、人やほかの霊長類と異なり、後足も真横に大きく広げることが出来る。

行動

ほとんど樹上で生活していて、地上には希にしか降りてこない。
樹上では、片手でぶら下がりながら体を振って、もう片方の腕を伸ばして枝をつかみ、枝から枝へとゆっくりと移動する。


握力や腕力も強く、飼育ゲージの直径1cmの鉄棒を折った例が知られている。


地上では四足歩行で、ゴリラやチンパンジーなどと違い、腕を使って体を前後に振って歩く。
また、ボルネオオランウータンは両手を上にあげて後足だけで歩き、
垂直方向にはほとんど飛び上がることができないと言われている。
泳ぐこともできず、浅い川なら歩いて渡るが、深い川なら簡単に溺れてしまうと言われている。


成熟したフランジをもつ雄は普段は単独で生活しているが、その行動範囲は2.2~6k㎡程度と言われ、この中には複数の雌の行動範囲が含まれている。

フランジを持つオスはかなり攻撃的な性格をしており、フランジを持つオス同士が鉢合わせした場合、殺し合いに発展することもあり、フランジが発達することにより凶暴性が増すことも分かっています。

ただし、フランジを持つオスがフランジを持たないオスに対する態度は、かなり寛容的であり、例え近くにいようともフランジを持つオスが持たないオスを追い払ったり暴力を働いたりすることもありません。

繁殖

一夫多妻と考えられているが決まった繁殖期が見られない。
妊娠期間は230~270日程の間で、普通は1産1子を出産し、子どもは雌が育てる。

子どもは4年程は親と一緒の巣で夜を過ごし、4年を過ぎることから親の周りに自分の巣を作るようになり、5~8年程で完全に独立した生活をするようになる。

寿命はほかの類人猿のように長寿で、野生では30~50年、飼育下では50年以上と言われ、推定年齢59年の記録がある。



ボルネオオランウータンの仲間

その他の種は現在順次更新中です。もうしばらくお待ちください。

人間とボルネオオランウータンの関係

保全状況

近年の森林伐採や開発などにより、生息地であった森林の80%以上が失われたほか、密猟なども続いていることによるが、伐採の跡地にはヤシ畑などが作られた為に、元の生息環境が戻ることがないような状況になっている。


現在は国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧IA(CR)に指定されていて、近い将来に絶滅の危険性が高いとされている。

飼育する動物園

ボルネオオランウータンですが、日本では現在13ヶ所の動物園でのみ見ることができます。


現在展示されている動物園を紹介します。

ボルネオオランウータンが見られるおすすめの動物園が多摩動物公園。


1番の理由は「スカイウォーク

多摩動物公園では毎日11時〜13時まで鉄塔の間にロープを渡してそれをオランウータンが渡る大人気の展示方法を行っています。


これはオランウータンの気分次第なので見られればラッキーですね。


下記にボルネオオランウータンを飼育している動物園をまとめましたのであなたの素敵な動物園ライフにご活用ください。

動物園所在地
円山動物園北海道札幌市
旭山動物園北海道旭川市
釧路市動物園北海道釧路市
多摩動物公園東京都日野市
千葉市動物公園千葉県千葉市
よこはま動物園ズーラシア神奈川県横浜市
いしかわ動物園石川県能美市
日本平動物園静岡県静岡市
王子動物園兵庫県神戸市
福岡市動物園福岡県福岡市
宮崎市フェニックス自然動物園宮崎県宮崎市
長崎鼻パーキングガーデン鹿児島県指宿市
平川動物公園鹿児島県鹿児島市
追加情報がありましたらコメントにてお知らせいただけますとありがたいです。

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