アカアシドゥクラングールの基本情報
アカアシドゥクラングール英名:Red-shanked Douc Langur 学名:Pygathrix nemaeus 分類:霊長目、オナガザル科、ドゥクラングール属 生息地:ラオス、ベトナム、カンボジア 保全状況:EN<絶滅危惧II類>
世界一美しいサル
この世界には「世界一」と呼ばれるサルがたくさんあります。
世界一小さいベルテネズミキツネザルだったり、世界一うるさいホエザルだったり。
そんな中でアカアシドゥクラングールは「世界一美しい」という冠が与えられています。
アカアシドゥクラングールは鮮やかなオレンジの顔、頭から生える黒い毛、髭のように生える白い毛と、胸のワインレッドの毛、胴体は灰色でおおわれており、5色もの体毛を持つ色鮮やかなサル。
膝から足首まで鮮やかなオレンジ色の体毛を持っており、これが和名の「アカアシ」の由来となっています。
このように5色もの体毛を持つサルはこのアカアシドゥクラングールだけ。
そのため、アカアシドゥクラングールはその体の色の多さ、美しさから「世界で一番美しいサル」や「霊長類の女王」とも言われています。
アカアシドゥクラングールの生態
分布
ドゥクラングールの仲間は東南アジアに分布しているが、アカアシドゥクラングールは、ベトナム北部やラオス東部の低地から高地の森林地帯に生息しています。
主に平地から標高1600メートルほどの山地に広がる、熱帯の森に生息しています。
食性
リーフイーター(葉喰いザル)の仲間で、木の葉を主食として、イチジクなどの果物や種子、花などを採食している。
水分も植物から採取していて、水を飲むために地上に降りることは滅多にありません。
平和に一緒に食事をし、食べ物を他の人と分かち合うことでも知られています。
形態
体長は55〜82cm、体重は7〜11kg。
毛は長く、毛色は暗灰色や茶色を帯びたような濃灰色をしており、肌色や黄色っぽい顔のまわりには白くて長い頬毛があるなどかなり特徴的な顔をしている。
また、まぶたは青みがかった灰色、足首は鮮やかなオレンジ色。
白く長い尻尾はバランスを取るためだけに使っており手足を使って移動しています。
行動
アカアシドゥクラングールは4~15頭から成る、単雄複雌(一匹のオスと複数のメス)ないし複雄複雌(複数のオスと複数のメス)の群れを作ることが分かっています。
オスとメスにはそれぞれ序列があり、成熟するとどちらも自分が生まれた群れを離れ、別の群れに移籍します。
彼らの社会性を支えるコミュニケーションには、音声やグルーミング、表情などが使われます。
繁殖
メスの排卵周期は28~30日で、発情すると陰部が腫脹し赤くなり、165~190日の妊娠期間の間も続きます。
赤ちゃんは2月~6月にかけて生まれることが多く、4~5歳で性成熟に達します。
寿命に関しては、飼育下で20~25年生きると言われています。
アカアシドゥクラングールの仲間
その他の種は現在順次更新中です。もうしばらくお待ちください。
人間とアカアシドゥクラングールの関係
保全状況
かつてのベトナム戦争で米軍によって散布された枯葉剤によって生息地の大半を失って数が激減したと言われており、多くの森林が破壊された後も、森林開発などで生息地が更に減少し、個体数もきわめて減少している。
現在、アカアシドゥクラングールは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定され保護されているが、一層の保護が求められている。
飼育する動物園
絶滅危惧種のアカアシドゥクラングールですが、日本では現在2ヶ所の動物園でのみ見ることができます。
日本でアカアシドゥクラングールを飼育している動物園で有名なのはよこはま動物園ズーラシア。
2022年8月に徳山動物園に移った個体もここズーラシアで繁殖した個体となっています。
2022年1月には新しく雄の赤ちゃんが生まれ、日本国内に11頭となりました。
その中で10頭がズーラシアで飼育されており、親子で生活する様子を見ることができるのは本園のみとなっています。
下記にアカアシドゥクラングールを飼育している動物園をまとめましたのであなたの素敵な動物園ライフにご活用ください。
動物園 | 所在地 |
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よこはま動物園ズーラシア | 神奈川県横浜市 |
徳山動物園 | 山口県周南市 |
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