オリイオオコウモリ

オオコウモリ属

オリイオオコウモリの基本情報

オリイオオコウモリ

英名:Orii's fruit bat 学名:Pteropus dasymallus inopinatus 分類:翼手目オオコウモリ科オオコウモリ属 生息地:沖縄や南西諸島 保全状況:EN<絶滅危惧IB類>

オリイの名を持つコウモリ

野鳥好きの方なら言っているかと思いますが、鳥類には「オリイ」と名の付くものがいます。


オリイモズオリイコゲラなど学名を含めると10種の鳥類に「Orii」の名を見つけることができます。


これは哺乳類にも言え、オリイコキクガシラコウモリやみんなご存じエゾモモンガなど7種に「Orii」の名が冠されています。



今回ご紹介するオリイオオコウモリにももちろん付けられています。


これらはこういった鳥や獣の採集に尽力した、折居彪二郎を記念して名付けられたものです。


折居は函館にいた23歳の時にイギリス大英博物館の採集員マルコム・アンダーソンに誘われ、韓国や中国など30年間にわたり世界中の鳥類や哺乳類を採集し、動物標本を作製しました。


折居の作った標本は「ロンドン自然史博物館」「苫小牧市美術博物館」に保管されています。


ロンドンに行った際には訪れてみたいですね。

オリイオオコウモリの生態

分布

クビワコウモリの亜種で日本の沖縄や南西諸島のみに分布しており、主に森林に住んでいます。

食性

オオコウモリは別名でフルーツオオコウモリとも呼ばれ、花の蜜果実を主食としています。


植物の葉(イチジク属、イチョウ、シマグワ、マルバグミ、モモタマナなど)、(ビロウなど)なども食べるが、口に入れた花蜜や果実は水分だけを抽出して身体に吸収し、繊維質は「ペレット」として吐き出します。

形態

体長が21cm、体重は300~400g。


翼を広げた状態では1m程度、大きいものでは2m近いサイズのものもいます。


小型のコウモリは超音波を発信して獲物や障害物を確認する反響定位(エコロケーション)で飛行するため耳が大きく発達し、目は小さい。それに対してオオコウモリは目視で飛行するため耳は小さく、目が大きく発達しています。


尾がなく背面に2cm程の厚みの茶色い体毛があり、首に首輪のような淡黄色の帯が入ることから「クビワ」の種名がつけられています。


コウモリの前肢(前足)は、親指が普通の指の形で鉤爪があることを除けば、全て細長く伸びている。飛膜はその人差し指以降の指の間から、後肢(後ろ足)の足首までを結んでおり、腕と指を伸ばせば翼となって広がり、腕と指を曲げればこれを折りたたむことができる。


さらにコウモリは後ろ足と尾の間にも飛膜を持っています。

行動

夜行性。


鳥類の翼は羽毛によって包まれているが、コウモリの翼は飛膜と呼ばれる伸縮性のある膜でできています。


哺乳類では、他にもムササビ、モモンガ、ヒヨケザルなどの飛膜を広げて滑空する種が知られているが、鳥類に匹敵するほどの完全な飛行能力を有するのは翼手目のみである。

※ムササビやモモンガは飛翔ではなく「滑空」をしています。

また、鳥と異なり、後ろ足は弱く、立つことができず休息時は後ろ足でぶら下がっていることが多い。


しかし、排泄時などは前足の親指の爪でぶら下がり正立することもあります。


11月ごろに繁殖期を迎え、「ギャーギャー」大きな鳴き声を出すのが特徴。

繁殖

繁殖方法は胎生で行い繁殖期は10~12月、出産期は4~6月で、一度に雌が産む仔の数は1頭です。 仔は生後4~5ヶ月で親から独立します。


哺乳類は一般に大型のものほど長命であるが、コウモリ類は身体の大きさの割に非常に長生きでこれは、空を飛べて夜行性であるために天敵が少なく、死亡率が低いこと。空を飛ぶという制約から高い繁殖力を持てず、充分な数の子孫を残すには長命になるしかなかったためと考えられています。

オリイオオコウモリの仲間

その他の種は現在順次更新中です。もうしばらくお待ちください。

人間とオリイオオコウモリの関係

保全状況

日本では、移入種を除く約100種の哺乳類のうち、約3分の1に当たる35種をコウモリ類が占めています


ただし個々の種についてみれば、個体数が少ないと判定されているものもあり、多くの種がレッドデータブック入りとなっているのが現状です。


現在、沖縄県のレッドリストでは準絶滅危惧種(NT)に指定されているが、国際自然保護連合(IUCN)では、クビワオオコウモリを絶滅危惧種(VU)として指定しています。


飼育する動物園

オリイオウコウモリですが、日本では現在7ヶ所の動物園でのみ見ることができます。


現在展示されている動物園を紹介します。

おすすめの動物園は井の頭自然文化園です。


都心からも近く訪れやすい上に意外とオオコウモリ舎は人が少なく観察しやすくなっています。


絶滅危惧種のオリイオオコウモリですがここでは繁殖も順調で子守中の様子が見られることもあります。


下記にオリイオオコウモリを飼育している動物園をまとめましたのであなたの素敵な動物園ライフにご活用ください。

動物園所在地
上野動物園東京都台東区
井の頭自然文化園東京都武蔵野市
大島公園動物園東京都大島町
富士サファリパーク静岡県裾野市
伊豆シャボテン動物公園静岡県伊東市
沖縄こどもの国沖縄県沖縄市
ネオパークオキナワ沖縄県名護市
追加情報がありましたらコメントにてお知らせいただけますとありがたいです。

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