サンシャイン水族館のメンダコ　国内最長展示記録の53日を更新しても元気いっぱい

池袋のサンシャイン水族館は16日、3月6日まで開催しているイベント「ゾクゾク深海生物2022」にて深海のタコ「メンダコ」の展示が53日目を迎え、国内の展示最長記録を達成したことを伝えた。

メンダコは「深海のアイドル」とも呼ばれる人気者だが、飼育が難しく、これまでの最長記録は静岡県の沼津港深海水族館が2016年に達成した52日とされていた。

メンダコはその名の通り＂タコ＂なので、もちろん腕は8本。

しかし、各腕の半分以上が大きな膜に覆われているため、他のタコのように、腕1本1本を自由に動かすことはできず、膜からちょんっと先端だけ腕がのぞいているタコで、墨をはかない種類になります。

サンシャイン水族館のメンダコは昨年12月25日に沼津沖で採集され、翌26日から同園で展示。通常、網を引き揚げる際に他の生きものにもまれて傷付くことが多い中、非常に元気な状態で水揚げでき、運搬時には彼らの生息する水深70メートルと同じ圧力をかけられる加圧水槽が初めて使われた。

取得した水温データをもとに、今回の水深350mの水温を10～11℃と推定。船上では、凍らせたペットボトルで海水温を調整し、低水温を保ったまま加圧水槽に入れてメンダコを運搬し、館内の水槽についても、水温を10℃に設定して状態よく飼育展示している。

さまざまな努力により今回の異形が達成できたわけである。

展示から53日目となった現在も状態良好で、腕を広げて体を大きく見せるような姿など、見たことのないような動作も観察することができ来園者を和ませている。